「実母が孫の母親気取りをしているようで、なんだかしんどい。私が母親なのに…」
子どもをかわいがってくれるのはうれしいけれど、育児に口を出されたり、知らないうちに予定を決められたりすると、複雑な気持ちになりますよね。
そんなときは、困っている行動を一つ選び、「子どもと約束する前に相談してほしい」など、どうしてほしいかを具体的に伝えてみてください。
それでも繰り返される場合は、会う時間や預け方を見直し、ほかに頼れる人や場所も少しずつ増やしていきましょう。
お母さんへの感謝があっても、自分の子育てを大切にしていいんですよ。
こんにちは。保育士歴20年以上、2児の母のにゃにたんです。
実の親子だからこそ、遠慮なく言われた一言が心に残ったり、こちらもつい強く返してしまったりすることがあります。
「もう少し分かってくれてもいいのに」と思う相手だから、余計につらくなってしまうんですよね。
この記事では、実母が孫に関わりすぎる理由を整理しながら、場面別の伝え方と、無理をしない付き合い方をお話しします。
気持ちを誰かに聞いてもらってから考えたいときは、にゃにたんの子育て・育児電話相談でもお話をお聞きしています。
実母が孫の母親気取りでつらい…嫌だと感じる自分を責めなくて大丈夫
「こんなふうに思うなんて、私は冷たい娘なのかな」
お母さんが子どものために動いてくれていると、嫌だったことよりも、そんな自分を責める気持ちのほうが大きくなってしまうことがあります。
でも、まずは「何がつらかったのかな」と、自分の気持ちにも目を向けてみてくださいね。
感謝していても、自分の子育てを尊重してほしいと思っていい
子どもを見てもらえて助かった。忙しい日にごはんを用意してくれて、ありがたかった。
そんな気持ちがあっても、「子どものことを決めるときには、私にも聞いてほしい」と思うことはありますよね。
たとえば、お母さんが子どもに「今度はばあばのおうちにお泊まりしようね」と先に約束してしまったら、こちらに予定があっても断りにくくなります。
子どもが楽しみにしているほど、あとから説明するのも大変です。
助けてもらっていることへの感謝も、自分の考えを聞いてほしい気持ちも、どちらも伝えてかまいません。
「いつもありがとう。でも、予定は先に私にも確認してほしいな」
その一言まで、飲み込まなくていいんですよ。
孫をかわいがることと、親の考えを無視することは違う
お母さんが孫と楽しそうに遊んでいる。それだけなら、うれしく感じる日もあると思います。
気になるのは、こちらがお願いしたことを聞いてもらえなかったり、子どもの前で育て方を否定されたりするときではないでしょうか。
「かわいがりすぎなのかな」と考えるだけでは、何を伝えればよいのか分かりにくいんです。
そんなときは、実際に困った場面を思い浮かべてみてください。
- 食事の前だと伝えても、お菓子を渡してしまう
- こちらに確認せず、お出かけやお泊まりを約束する
- 子どもの前で「ママの言うことは聞かなくていい」と言う
こうして整理すると、「孫をかわいがらないでほしい」のではなく、「この約束は守ってほしい」「この言い方は控えてほしい」という、自分の願いが見えてきます。
気持ちがいっぱいになっているときは、全部を説明しようとせず、一番困っていることからで大丈夫です。
実母はなぜ孫の母親気取りをするの?考えられる3つの理由
「どうして、そこまで口を出すんだろう?」
何度も同じことが続くと、お母さんの気持ちが分からなくなってしまいますよね。
ここでは、考えられる背景を3つ挙げます。
どのお母さんにも当てはまるわけではないので、ご自身の状況に近いところだけ読んでみてください。
子育ての経験から、自分のやり方を勧めたくなる
お母さんには、あなたを育ててきた経験があります。
そのため、「私はこうして育てたから」と、自分が慣れている方法を勧めたくなることもあるでしょう。
ただ、それが何度も続くと、娘の側は「今の私のやり方ではだめなの?」と感じてしまいますよね。
育児の方法は、子どもの様子や家庭の暮らし方によっても変わりますし、以前とは考え方が変わっていることもあります。
お母さんの経験を参考にしながらも、今の子どもに合う方法を選んでいけるといいですね。
娘が親になっても、つい世話を焼く関係が続いている
大人になってからも、「こうしたほうがいいよ」「ちゃんとできている?」と心配されることはありませんか。
お母さんの中では、娘を助けるつもりで、これまでと同じように世話を焼いているのかもしれません。
けれど、あなたは今、自分でも考えながら子どもを育てているんですよね。
「困ったときは相談するから、まずは私にやらせてほしいな」
そんなふうに、今の自分の希望を伝えることも、親子の付き合い方を少しずつ変えていくきっかけになります。
孫への愛情や役に立ちたい気持ちから、関わりすぎてしまう
孫と過ごすのが楽しみで、何かしてあげたくなる。
娘の役に立てることがうれしくて、つい先回りしてしまう。
そうした気持ちが、こちらの希望を聞く前の行動につながっている場合もあります。
もし頼めそうなことがあれば、「子どもと遊んでくれると助かる」「今日は夕飯を少し分けてもらえるとうれしい」など、してもらいたいことを具体的に伝えてみてもよいでしょう。
ただ、お母さんの気持ちをすべて理解してからでなければ、お願いを伝えられないわけではありません。
困っていることは、困っていると話していいんですよ。
実母が孫の母親気取りをするときの対処法|場面別の伝え方
いざ伝えようとすると、「またけんかになったらどうしよう」と言葉が出なくなることもありますよね。
そんなときは、「何が困るのか」と「どうしてほしいのか」を短く伝えることから始めてみましょう。
ここからの例文は、場面に合わせた伝え方の一例です。
普段のお母さんとの話し方に合わせて、使いやすい言葉に変えてくださいね。


孫を抱っこしたまま離さないとき|「今は私が抱っこするね」と伝える
赤ちゃんが泣いていても、「ばあばに任せて」と抱っこを代わってもらえない。
自分も抱っこしたいのに、言い出すタイミングを逃してしまう。
そんなときは、「代わってくれたらいいのにな」と待ち続けず、今の希望をそのまま言葉にしてみてください。
「抱っこしてくれてありがとう。今は私が抱っこするね」
授乳や寝かしつけの時間なら、必要なお世話も一緒に伝えられます。
「そろそろ授乳するから、代わってね。そのあと、少し休ませたいんだ」
「大丈夫よ」と返されても、長い説明を足して説得し続けるより、「うん、でも今は私が代わるね」と、同じ希望を落ち着いて伝えてみましょう。
自分の子どもを抱っこしたい気持ちを、遠慮だけで後回しにしなくて大丈夫です。
お出かけやお泊まりを勝手に決めるとき|「約束する前に相談してね」と伝える
子どもが「ばあばと約束した!」とうれしそうに話してきて、初めて予定を知る。
こちらは聞いていなかったのに、断ると自分が悪いことをしているようで、困ってしまいますよね。
この場合は、その日の予定を断ることに加えて、次からの相談の順番を伝えておくと分かりやすくなります。
「誘ってくれるのはうれしいよ。でも、家の予定もあるから、子どもと約束する前に私に相談してね」
都合が合わないときには、無理に合わせず、その予定について返事をしてかまいません。
「今週のお泊まりは難しいんだ。行ける日が決まったら、こちらから連絡するね」
子どもには、「行きたかったよね。今回は予定があるから、お泊まりはできないんだ」と気持ちを受け止めつつ説明しましょう。
大人同士のやりとりは、できるだけ大人同士で進めたいですね。
孫の教育やしつけに口を出すとき|家庭で大切にしたい方針を具体的に伝える
食べ方、寝る時間、習い事、叱り方。
子育てには小さな選択がたくさんあるので、そのたびに意見を言われると、気持ちが休まらなくなってしまいます。
「口を出さないで」と言いたくなる日もありますが、相談できそうなときには、今の方針とお願いを一緒に伝えてみてください。
「心配してくれてありがとう。今は、自分で食べる練習をしているんだ。少し時間がかかっても、まずは見守ってもらえる?」
お菓子のことなら、こんな言い方もできます。
「夕飯を食べられなくなるから、今はお菓子を出さないでほしいな。あげる前に、私に確認してね」
「うちのやり方を守って」という大きなお願いよりも、何をしてほしいのかが伝わりやすくなります。
育児の情報について意見が分かれるときは、保健師さんやかかりつけ医に確認した内容、自治体の子育て資料などを一緒に見てもよいですね。
たとえば、岐阜市が紹介している「孫育てガイドブック」では、親世代と祖父母世代の考え方の違いや、現在の育児方法を取り上げています。
お母さんと話すきっかけとして使えそうなところを、一緒に読んでみる方法もあります。
子どもの前でママと張り合うとき|比べる言い方を控えてほしいと伝える
「ママより、ばあばのほうがいいよね」
冗談のつもりかもしれなくても、聞いているこちらは寂しくなってしまいますよね。
子どもがどう返すのか、気になってしまうこともあると思います。
その場では、子どもにどちらかを選ばせず、こんなふうに声をかけてみてください。
「ママもばあばも、好きでいいんだよ」
お母さんへのお願いは、落ち着いて話せるときに伝えましょう。
「どっちが好きか聞く言い方は、控えてもらえるかな。比べずに、楽しく過ごしてほしいんだ」
また、あなたが伝えた約束を子どもの前で否定されるなら、そのことも具体的に話しておきたいですね。
「お菓子はごはんのあとって伝えているから、子どもの前で『食べてもいいよ』とは言わないでほしいな。気になることは、あとで私に話してね」
毎回うまく言えなくてもかまいません。
あとから「あのときのことなんだけど」と伝え直してもいいんですよ。
実母の孫への過干渉が変わらないとき|会う頻度と預け方を見直そう
勇気を出して伝えたのに、また同じことが起きると、がっかりしてしまいますよね。
お願いが守られないたびに、「もっと上手に言わなきゃ」と自分だけが頑張り続けるのはしんどいものです。
そんなときは、実際の会い方や頼み方も調整してみましょう。


会う回数や滞在時間、連絡の頻度を無理のない範囲に調整する
毎週の訪問が負担になっているなら、予定のない週をつくる。
長く一緒にいると疲れるなら、帰る時間を先に決めておく。
いきなり大きく変えなくても、今つらいところから調整できます。
「今度の日曜日は、家でゆっくり過ごすことにしたよ。また予定を見て連絡するね」
「今日はお昼までにするね。午後は家で休みたいんだ」
電話やメッセージにも、すぐに返せない時間があって大丈夫です。
「寝かしつけの時間は返信できないから、落ち着いてから返すね」と、生活の都合を伝えておく方法もあります。
同居していて会う回数を減らせない場合は、「寝かしつけは自分がする」「この時間は親子だけで過ごす」など、家の中で調整できることを考えてみてください。
実母に孫を会わせたくないと思うほど疲れているなら、次の予定をすぐに決めず、自分が落ち着ける時間を取ることも大切です。
家族との時間そのものに気疲れしている方は、こちらの記事も参考にしてくださいね。


実母に孫を預けたくないときは、守ってほしい約束と預け方を見直す
子どもを見てもらえるのは助かる。
でも、お願いしたことが守られないなら、安心して預けにくくなりますよね。
まずは、預けるうえで大切な約束を、分かりやすく共有してみましょう。
- 食べ物を渡す前に、確認してもらう
- 外出やお泊まりは、事前に相談する
- 帰宅する時間を決めておく
- 体調の変化や困ったことがあれば、連絡してもらう
すべてを細かく自分と同じにしてもらおうとすると、お互いに疲れてしまいます。
子どもの安全や体調、生活に関わることから、優先して話してみてください。
アレルギーなど安全に関わる約束が守られない場合は、預けるのを控え、別の預け先を考えることも必要です。
それ以外でも、不安が強いときには、「まずは一緒にいるときに遊んでもらう」「預ける時間を短くする」といった方法があります。
「しばらくは私も一緒にいるときに遊んでもらいたいな。預けることは、また相談させてね」
会うことと、子どものお世話を任せることは、それぞれ考えていいんですよ。
実母に頼っていて言いにくいときは、ほかの家族や子育て支援にも頼る
「仕事中に見てもらっているから、強く言えない」
「実母に頼れなくなったら、生活が回らない」
そんな事情があると、距離を置けばいいと言われても困ってしまいますよね。
今の助けを急に全部手放そうとせず、ほかに頼れる先を一つずつ探してみてください。
パートナーと送迎を分担できないか、別の家族に頼める日がないかなど、まずは身近なところからでもかまいません。
家族だけで難しい場合には、一時預かりやファミリー・サポート・センターなどの利用も考えられます。
こども家庭庁の子育て支援の案内では、リフレッシュなどで利用する一時預かりや、地域で子育てを助け合う仕組みが紹介されています。利用できる年齢、時間、費用、空き状況は、お住まいの市区町村や施設に確認してくださいね。
窓口では、こんなふうに話して大丈夫です。
「実母に子どもを預けていますが、育児の考え方が合わず困っています。ほかにも頼れる先を探したいです」
私は一時保育や子育て支援の現場にも関わってきました。
預けることが不安なら、その気持ちも含めて、担当の方に相談してもらえたらと思います。
休む時間や預け先については、こちらの記事にも紹介しています。


実母と孫の関わりに悩むときのQ&A
まとめ|実母が孫の母親気取りでつらいときは、伝え方と距離を見直そう
実母が孫の母親気取りをしているようでつらいときは、「感謝しなきゃ」と気持ちを押し込める前に、何に困っているのかを一つ整理してみてください。
- 「子どもと約束する前に相談してね」など、してほしいことを具体的に伝える
- お願いが守られない場合は、会う頻度や滞在時間、預け方を見直す
- 実母だけに頼らず、ほかの家族や地域の支援にも相談する
- 子どもが祖母を慕う気持ちと、大人同士の困りごとは分けて考える
お母さんとの関係を大切にしたいからこそ、言いにくくなることもありますよね。
全部を一度に分かってもらおうとせず、「まずは予定を先に相談してほしいな」という一つのお願いからでもかまいません。
あなたが安心して子育てできることも、家族にとって大切なことです。
実母とのやりとりで疲れた気持ちを、身近な人には話しにくいこともあると思います。
そんなときは、にゃにたんの子育て・育児電話相談でもお話をお聞きしています。
「お母さんのことを悪く言いたいわけじゃないんだけど…」という気持ちのままで大丈夫。
言葉がまとまっていなくても、ゆっくりお話ししてくださいね。

